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母との間の・・・

世間によくある話のようだが、
敏子が息子の恵一の卒業旅行に付き合わされて
母子の過ちが起きてしまった。
約束した彼女にドタキャンされたからと言われ、
軽くその気になった母親の敏子だが、
ホテルで実の息子に襲われた。
息子は童貞を捨てることを焦っていたようで、
いまどきカッコワルイらしい。
だからコトが済んだあと息子に、
「ありがとう、お母さん」
とお礼を言われる。



「ありがとう」
で済ませられた恵一はいいが、
母はそうはいかなかった。
かなり後悔して思い悩んだが、おかしなもので
気持ちの中で引きずっていると傷跡として残った。
心の傷跡だったらよかった。
気持ちの上で忘れ去ったことを
母の肉体は覚えていた。
そのことを思い知らされたのは、
恵一が上京し一人暮らしをはじめてから
だった。
息子のアパートを下見に上京する前、
敏子は夫に嘘をついていた。
「恵一のところに寄ってから親友の家に一泊する」
と夫に嘘をついた時、敏子の気持ちはまだ決まっておらず、
その気があるような、ないような
その気が起きたら困ってしまうような、
中途半端な気持ちだ。
この時すでに
母は過ちを再び繰り返そうとしてることに
気がついていない。
息子には、行くと連絡したが泊まるとは言ってない

女性は、心と身体のバランスが崩れたときが
一番キレイになる。
ウソをついて、その罪の意識に想い沈み、
それでも家を出て行く時が、
一人の女性としては最高に魅力的だ。
年齢も関係ない。
例えば十代半ばの女の子が両親に内緒で
必死に彼氏の元へ駆け出すときなど
一番キレイだし、彼女は39歳だがそれは50過ぎであっても
同じだろう。


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ドアを開けて母の姿を見た息子は
息を飲んだ。
それ程、いつもと様子が違うし女らしい母だった。
母子はドアを開けて顔を合わせてからどれ程
時間が経ったのか。
なにを話したのか、その経過を全く覚えていない。
日が落ちる前にはベッドで抱き合っていた。

激しい行為が済んで、母子が顔を見詰め合っている。

真っ赤な夕焼けがカーテンを染めている。
ふたりはかなり上気していたはずだが
その夕陽の色で染まっていると思いこみ
微笑み、口を吸い合っている。
息子は既に母の胎内で三度果てていた
恵一は母がこのまま泊まるとは思っていない。
家は名古屋だから新幹線はまだある。
全裸で微睡んだままで起き出す気配がない。
少し心配になる。

「もしかしたら泊まっていくのか?」
と、淡い期待も起きて、あえて母を起そうとしない。
敏子はまどろみながらも
「どうしようか?」
と考えていた。
若い息子と三度も愛し合えた。
満ちたりた幸せで、もう家に戻っても
悔いがないはずなのに
「どうしよう?」
などと考えている
結局。
敏子は踏ん切りを付けると身支度を整え、
最終で東京から家に戻った。
敏子は無意識にこの後のコトを考え、そうさせたのは
中年女の悪知恵だ。
息子との事を、
「これで最後には、したくたい」
との思いが決断させ、
「またすぐ来るからね。」
と別れ際、息子にそう呟いている。
息子は一晩中でも母と愛し合いたかったが、
母の別れ際のことばを信じた
敏子は半月後に又息子のアパートに来た。
息子は若いから、ドアを閉めて
母をベッドまで誘おうと一直線だ。
余分な時間も会話もなにもない。
母を抱き締め全裸にする。
確かに若い恵一に半月は長い。
それに母親は若返っている。
あまりのガツガツした息子に
「今夜は泊まれるから。」
と言ってあげ
息子の焦りを静めようとするが、
それでも息子からはがつがつとした感じが
なくならない。
新しいオンナの歓びを、
気持ちとカラダとに刻んでしまった母親は、
正気をなくしていた。
実の息子と不義を重ねるなら
近親間受精に注意すべきなのに、
そうしなかった。
途中ではラッキーだった。
が、一年後。

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実の息子の子供を身籠った。
その時は、その時とは思っていたが、
いざ現実になると、困った。
本当に困ったが、堕ろす気も
いまさら夫と撚りを戻す気もなかった。
実子の子供を産む気でいるのだ。
まだ恵一には教えていなかった
この事で思い悩んでたせいもあり、
息子には敢えて事前に上京する予定を
連絡していなかった。
直接アパートに来たとき息子の部屋に
若い女性が居た。
それも明らかにベッドからあたふたと
着替えて出てきた。
息子はまともに母の顔を見ようとしない。
頭に血が昇った敏子は、果物ナイフで刃傷沙汰に及び
それが原因で敏子は夫と離婚する。
恵一の命に別状はなかったが、
彼女は息子の子供を産んだ。
二児のシングルマザーになった敏子は
なにも期待してなかったが
息子のパパ=息子は敏子の元に帰ってきた。
元の鞘に戻った恵一は、自分の子が産まれ実母の敏子を
妻のように思うようになったから
性欲だけでなく、敏子との夫婦愛も生まれた。
新たに誕生した歳の差夫婦で子連れの新妻敏子に、
夜の性活はかなりハードだった。
が、息子=父親と、結構楽しんだ
母子の息子=敏子にとって孫でもある=が
大きくなり、その結婚披露宴、
花婿が両家の両親に簡単な謝詞を
マイクに向かって言う。
「お父さん、お母さんそして、お兄さん
「僕たちはしあわせになります。」
晴れやかな雰囲気の中。
その短いコメント中のたった一つの単語
お兄さん
に打たれ、
息が止まりそうになったのは恵一と敏子だけだが、
他人を愛する軌跡はこうして果てもなく続くものだろうか。

Src 鵺伝説#071蜜月
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