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蒼白い月・・・・・浩介と依子

浩介は今更ながら考え込んでしまった。
深夜街ですれ違った同級の女の子が
「ニート、キモい」
と言う陰口を後ろから耳にして、落胆した。
その通りだから今更だが
“キモい”とまで言うかと腹を立てた。
でも、すぐ忘れてしまう。
こうなると一種の対人恐怖症である。
そもそもの原因は・・・・・。
にゃんのかコラ



そもそもの原因はアホな担任教師のせいだ。
先公なんて皆、阿保だと
まだ知らない初心だったからこうなった
浩介がお気楽ニートでいられるのは
ひとえに両親に恵まれているからだ。
無関心というんではなく
それもお前の人生とあまり深く考えていない。
今は昔と違って両親の世代もいつまでもやることがある。
恵まれてることに時間だけはありそうな気がするから、
浩介もじっと潜んでいる。
動き出すなにかのパワーが湧いてくるのを待って
母親の依子は息子の人間性を信じている。
感性が豊かで優しい。
それはDNAだから変わりようがない。
だからと言って、キレない保証はない。
その点だけ少し心配している。
世間の母のように
“自分の子供だけがまともなんだ。”
としか思っていない。
そんな折りも折り。
ある事件が切っ掛けで母と息子の結び付きが強くなった。
それが発端となって母と子は肉体関係まで結ぶことになる。
後悔はしていない。
母親は
“自分の人間性を理解できるのは、息子だけだ。”
と思いこんでいた。
息子より己の方が疎外されていることに
最近になって気付いた。
気付くのが随分遅かったのだが。

この国の平均寿命は世界一で
寿命が長くなると女性に更年期が二度訪れる。
たぶん二度目の更年期と息子とのコトが重なった
理解し合える人間が目の前にいたので恋をした。

いつでも突然襲ってくるからその点は厄介だが。
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母と子だから障害がなかった。
もっと厄介な点は、恋心がすぐに
性の対象になってしまうことだ。
お互い掛替えのない存在と気がつくと、
気持ちが先に向かい合い、
向かい合うと、肌を触れ合いたくなり、
抱きたくなり抱かれたくなった
浩介はまだ感覚だけで生きているが、
依子はその感覚を閉ざして生きてきた。
それが磁石のように引き合ったのだ。
時代は妙に進化変化してるが、純粋性は
昔へ戻り始めたようだ。
母子が愛欲を深めるほど、世間からの疎外感は増した。
母子は、自分をようやく取り戻したような気になり、
気持ちが落ち着いた
母子愛からすればさらに厄介な現象がはじまる。
依子が純粋になるのに反比例し、
浩介が大人への階段を登りはじめた。
依子にしたらいまのままで純粋でいて
私だけを見てと言えるだろうか?
大人になろうとすると世間と同化しなければならない。
即自己否定に陥る。
依子が今まで歩んだ道を息子も進もうとする。
浩介にすれば、もっと母を愛したいと思うから
大人になろうと頑張る。
が、
背広を着た息子と愛し合いたいとは、どうしても母は思えない
愛し合う母子がこれからどのように世間と対応して行こうかと
考えると、結論はお互いを捨てることしかない。
実際に実験してみた。肉の交わりだけを半年間止めてみた。
全然効果がなかった。
気持ち的になにも変わらなかったし、
再開してみた母子性交にも違和感がない
母子は世間というものを気にしないことにした。
考えてもラチが開かないとわかってホッとした。
それじゃ愛欲ってなんだろう?
交わりながら考える。
浩介は抜き差ししながら、母の舌をしゃぶり、乳房を揉んでいる。
依子は熱い肉棒で胎内を掻き回され、
内側からも外側からも燃焼させられ心と身体を熱くさせる。
この瞬間だけ母子は頭が空っぽになり浮遊している
頭が空っぽになっても、
ふたりは同時に駆け上がり、同時に果てた。
こうして母子は生きている日々を感じ、
二人はひとりぽっちじゃないと思う。
それは日々お互いに、小さな新しい星を見つける夜空のような
感じで澄んでいく。
やがて。
いや、ようやくと言ったほうがいい。
母子の愛は、世間を照らしてるのは自分たちだと気付く。
そう。あの蒼白い月のように

原作:macsho氏鵺伝説#073>蒼白い月
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