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SF的禁親愛

未来から来た私の息子そして夫

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ある地方都市に住む主婦です。
私は失ったものの大きさに沈んでいます。
人に言えない関係を持ったひとり息子が大学へ入り、
この家を出て行きました。
それからというものはふさぎこむことが多くなり
普通なら息子の門出を祝うのが母親の務めですが、
ずっと心の奥で彼を想わない日はありません。
今でも2人で聴いた曲を聴くと涙があふれます。
私はもう若くはありませんし。
彼と過ごせた時間が、どれほど
大切なことだったか、息子が居なくなってはじめて判りました。
それほど彼を愛したのです。
夫と離婚すると息子に言ったのに、
彼は、
「ずっとそばにいるから離婚なんてしなくてもいいよ。」
と言ってくれました。
そんな私に息子は疲れたのかもしれません。
これからの約束は、なにもしてくれませんでした。
彼とふたりで歩いた町を、一人で歩くのはとても辛いのです。

息子と別れて半年ほど経ったある日。
夫が私に言います。

「行ってきなさい、亮の元へ・・・。」
「ニューヨークの彼に逢いに行きなさい。

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