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妻塚

妻塚(さいづか)




宿場の町外れにひっそりと小さな祠(ほこら)があり
これには言い伝えがあります。
平家一門の大庭何某の妻が祀られていると言われ、
源氏に縁のある家に産まれた妻が、夫が付け狙う高貴な人の
身代わりになり、愛する夫に斬り殺されたため
その冥福を祈って祠が建てられた言われています。
その夫婦はじつは血を分けた母子でありました。
元服前の影親(かげちか)は太郎と呼ばれ、母の名を菊。
いつ頃からなのか、ふたりは母と子から、人知れず
夫婦(めおと)関係になっていました。
伝馬町法華寺の裏手でひっそりと暮らしておりました母子、
ある夏の夜に霊夢を感じて、身体を合わせたのです。
二人はちゃんと身を清めてから床に入りました。
目的はただひとつ、宿願を継ぐ跡取りを産むことです。

山本艶子
太郎を床に寝そべらすと、菊は太郎に眼を閉じてジッと耐えるよう
言い含め、月明かりの中でそっと肩から着物をおとしました。
震える手で太郎の寝巻きを解き、そっと陰茎を握ってみました。
すぐに菊の手に収まりきらぬ程そそりたち、全裸になった菊が
ゆっくりと太郎の腰の上に乗っていきました
太郎は産まれて初めての血の滾りにじっと耐えておりましたが、
母の言付けに叛き、薄目を開け母の裸身を見てしまいました。
月光射し込む中。
まるで天女かと心躍る女体を見て、その感激に涙ぐみました。
すると
「厭、見ないでたも」
と母がつぶやいたように思えました。
そして。
膨れた珍宝が、熱く火照った肉壺に吸い込まれたのを感じました。
(極楽浄土か!)
と全身を硬直させた太郎に、更なる熱地獄が襲ってきました。
母がゆっくりゆっくりと豊かな腰を上下し始めました。
心臓が激しく喘ぎ、充血した珍宝は今にも張り裂けそうになります。
「よい、楽になりなされ。」
母がひどく掠れた濁声で言うのを聞き、太郎は両手を伸ばし乳房を
がっしりと鷲握みして、腰を持ち上げます。
閉じた眼の裏にに火花が散り、体液の放出が始まります
新しく夫婦になった親子ですが、なかなか子宝に恵まれません。
菊はお札を集めては神棚に願を掛けたりしますが、夏が過ぎ
もう暮れの押し迫った頃になっても、赤児を孕んだ兆候はありません。
「バチがあたったのか?」
「いや母上。私のせいだ。」
一角の若武者のような真顔になり、意を決した太郎。
身を整え宿願を果たす為、夜の待ち伏せ場所に
向かいました。
同時に菊も心を決めておりました。
(我が子に、これ以上罪を負わせてはならぬ。)
短い月日であったけれど、菊は息子の太郎によって女として
幸せ過ぎた日々を過ごせたのです。

(身代わりに私が斬殺されよう。地獄に堕ちる前に)
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