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恵と宏彰

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「人でなし亭主」
「いるんだろ。」
「ここの亭主はお金を借りて\」
「返済せず逃げています。」
「借りたものは返す。」
「誰でもわかることをやらない人なんですよ~。」

お袋と俺は嵐が過ぎ去るのを
じっと待っていた。

親父は借金を残し蒸発した挙句、
工事中のビルから落ちて死んで
骨になって帰ってきた。
・・・借金を残したまま。

俺は夢をあきらめて働くことにした。
お袋ばかりに迷惑をかけられない。
そんな日々を重ねて暫くたったある日。

「ヒロくん、今度旅行にいこうよ。」
母親の恵は息子の宏彰にそう言い、誘った。
「え?だって」
「いいから。」
「もう宿も予約したし。」
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